メトロポリタン・オペラ 9/21~9/27

今週のテーマはプッチーニ。

人間の喜びや悲しみを豊潤な音楽に乗せて描いていくプッチーニのオペラ。当時のイタリアにとっては遥か遠い異国だった日本や中国、また、エキゾチックな雰囲気にあふれるアメリカ西部などを舞台にした作品でも知られ、その異国情緒をどのような音楽で描いているのかを聴くのも興味深いでしょう。


9/21 つばめ

9/22 西部の娘

9/23 マノン・レスコー

9/24 蝶々夫人

9/25 トスカ

9/26 トゥーランドット

9/27 ボエーム


私のイチオシは9/22の「西部の娘」。

プッチーニの作品の中ではあまり知られていない方ですが、感動的な素晴らしいオペラなのでぜひご覧になっていただきたいと思います。舞台がアメリカ西部のカウボーイの世界というのがオペラとしては異色中の異色。流れ者と保安官が居酒屋の女主人をめぐって争ってというお決まりのパターンですが、それぞれの歌が情熱的で、それを取り巻く合唱も穏やかな雰囲気から、話が進むにつれて集団ヒステリーと化していく。

流れ者を歌うのはシチリア出身のマルチェロ・ジョルダーニ。先日のヨナス・カウフマンも素晴らしかったけれども、イタリア男らしい情熱をあふれさせて、カウフマンとはまた違った流れ者を表現してくれるのではないかと期待が高まります。

アメリカといえば、9/23の「マノン・レスコー」も最後はアメリカの砂漠で息絶えるという設定で、フランスから島流しにされた主人公の望郷の念を思うと切なさが身に沁みます。


9/24の「蝶々夫人」でピンカートンを歌うのが、これまたマルチェロ・ジョルダーニ。要注目。


9/26の「トゥーランドット」は中国が舞台の身も凍るような話。氷のような心を持った姫君の問いに答えられなかった求婚者は首をはねられてしまうのです。姫に一目ぼれしたカラフの運命やいかに⁉


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