メトロポリタン・オペラ 3/29~4/4

今週のテーマは「愛の三角関係」。

オペラの題材は、たいていが三角関係ですが、今週はその中でも極めつけをピックアップ。


3/29 ノルマ

3/30 カプリッチョ

3/31 ロベルト・デヴェリュウ

4/01 トロヴァトーレ

4/02 ヴェルター

4/03 愛の妙薬

4/04 トリスタンとイゾルデ


3/31の「ロベルト・デヴェリュウ」は、16世紀イギリスチューダー朝のエリザベス女王をめぐる愛憎劇ですが、三角関係というより4人が絡む複雑な四角関係。3/29の「ノルマ」で神に仕える敬虔な巫女ノルマを演じた美形のソンドラ・ラドヴァノフスキーが、ここまでやるかと思えるほど、老婆ぶりを表現するために腰を曲げて杖をつき、狂気の表現のためか顔を真っ白に塗り固め、嫉妬心を紅蓮の炎のように燃やして、怒りのためにカツラを投げ捨てて丸坊主のような姿をあらわにする。一方で嫉妬の対象となる若き公爵夫人を演じるのはこれまた美しいエリーナ・ガランチャで、醜と美の対比を際立たせています。そこに絡む男性二人もマシュー・ポレンザーニとマリウシュ・クヴィエチェンというイケメンで、思わずこの四人の世界に引き込まれてしまいます。作曲はドニゼッティ。


4/3の「愛の妙薬」もドニゼッティの作品ですが、こちらは楽しく見られるコメディです。農夫のネモリーノは恋する村娘のアディーナに振り向いてもらいたい一心で、インチキ薬屋のドゥルカマーラから効果てきめんと言われて、なけなしのお金をはたいて愛の妙薬を買うのですが、そこにイケメンの軍曹ベルコーレが現れてアディーナの心をさらい....というドタバタ劇。ネモリーノと軍曹は上記の「ロベルト・デヴェリュウ」では深刻な対立をしていたマシュー・ポレンザーニとマリウシュ・クヴィエチェンのコンビ。アディーナは歌姫ネトレプコで、歌はもちろんのこと、そのコケティッシュな演技がとても魅力的です。インチキ薬屋は「ファルスタッフ」でタイトル・ロールを250回も演じたというアンブロージョ・マエストリ。熱気のあるコメディが期待できそうです。


Direttrice

ロベルト・デヴェリュウ